自然体に立つ(合気道に構え無し)

植芝盛平翁先生は「合気道に構え無し」と仰ったとお教えいただいている。

曰く、「合気道は最初から勝っているのであるから争う必要が無く、争わないから負けることは無いのです。争うために構えた瞬間に既に負けているのであり、最初から勝っている合気道に構えは無用なのです。」

つまり、合気道は自然体に立つ事が大切であり、自然体に立つとは脱力したリラックスした姿でたたずみ、無の境地を会得する必要があると思われる。

さらに、最初から勝っているのであるから、「先の先」を取るとか「後の先」を取ると言う事へのこだわりも必要が無く、「先」を取ると言う事を考えると言う事は既に争う準備に入っており、「正勝吾勝勝速日」の境地からは離れた所業であり最初から勝っている境地とは異なり、勝負にこだわった其の時点で負けているのである。

また、体裁きは、相手をやっつける為に行うものでは無く、攻撃してくるものに好きなように打たせ、あるいは突かせて、大いなる合気の心で「どうぞ打ちなさい/突きなさい」と相手を誘っているのであり、相手の欲するところを与えつつ自分の中心に相手を吸収して和合する為のものなのであると考えている。

合気道の修行はまた、いつ如何なる時も「自然体に立つ」鍛錬でもあると考えて、我が合気道「眞武館」は稽古に励みたい。