半身に立つ

さて、半身に立つ場合の正しい形はどのようなものなのでしょうか?

前後の足を「Tの字」の形に置くと言う教えのところも多いようです。

「Tの字立ち」への疑問

以前から「半身」について前後の足を「T字」に置くとの教えをする道場が多く見受けられます。しかしながら私自身は次のように疑問を抱いておりました。そもそも眞武館での教えとは異なっております。

  1. 「Tの字」に立つと正中線が正面を向かない、もしくは正面を向けるのに無理がある。
  2. 「Tの字」立ちでは背中側にスキができる。
  3. 六方に捌くのに背中側には捌きにくい。
  4. 体の転換や網代歩きの際に初動で前足を開く分度差が遅れる。
  5. 半身は前後の足を「Tの字」型に立つと教えられておられる師範も演武動画を見ると「Tの字」型には立っておられない。

そこでいろいろと調べてみました。

半身に立つとは

開祖も田中万川師範も六方の敵に備える「一重身」の重要性を唱えておられました。。

その為には前後の足を六方に開く「裏三角」に立つとされておられました。

合気道の「一重身」としての「裏三角」は「撞木足」とか「撞木立ち」とも言われます。

一重身、撞木立ち、裏三角

「一重身」と「撞木立ち」は各々「ひとえみ」、「しゅもくだち」と読みます。

何れも多くの柔術系武道、古流剣術各派や現代に伝わる香取神道流等でも重要視されています。

「一重身」とは正面と対峙しながらも六方の多人数の敵にも対応するための実践的な立ち方です。

大先生はこの「一重身」として前後の足を六方に開いて「裏三角に立つ」とされました。

剣道での立ち姿

剣道の試合では真ん前に立つ遠間の一人の敵と戦います。

そこで前方に一足で深く入る必要性が大きいのです。

その為、踵を地面に付けず、

両つま先を正面に向けたつま立ちで立つのを良しとしています。

多人数と戦う柔術系の裏三角とは異なる理合いなのです。

半身に立つ理合いと六方の捌き

また、注意すべきはここでの「裏三角」と言う文言は「六方の捌き」のものとは異なります。

「六方の捌き」では「表三角、横三角、裏三角」と捌きを区分されています。

六方の捌きでの各文言は、「斜め前方への捌き、横方向への捌き、斜め後方への捌き」を意味します。

つまり、「六方の捌き」を容易にする為の半身立ちが「裏三角」の立ち姿であると言う事です。

これは眞武館道場で「裏三角」についてお教えしている内容と完全に一致しておりました。

また、「体の転換」を行うと自然と裏三角の立ち姿となります。同様に網代歩きの際も常に裏三角です。

この様に六方の捌きに加えて「体の転換」での前後の捌きを加えた八方の捌きに備えた「一重身」が重要です。

大先生や万川師範のお教えの通り「前後の足を六方に開く裏三角」の撞木立ちが大事と心得ております。

今後も眞武館では裏三角での盤石な半身の姿での稽古指導を継続して参ります。

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