見て取り稽古の意義(20131011)
昨日は合気道「眞武館」緑地公園住宅道場の稽古指導日でした。
緑地公園住宅はJR山崎駅下車5分の位置にあります。そこの集会所をお借りしているのですが、床は材木のフローリングですが、エアコン完備のすばらしい建物です。
昨日の稽古参加者は、四番弟子H本君、九番弟子M野さん、十番弟子M田さん、十一番弟子T玖君、十二番弟子Y里君、十四番弟子Sちゃんでした。
お母さんのN田さんが体調不良でお休みの上にM田さんもお子さんをお連れでしたので昨日の道場は、多くの子供たちで大人は圧倒されて、あたかも少年部の道場のようでした。
昨日の稽古は体捌きと体の転換の稽古を主体としたものとしました。
体捌きの基礎動作の稽古の後、「逆半身片手持ち」から斜め後方への体捌きによる「四方投げ」の稽古を行い、ついでこの技の前に体の転換を行う「逆半身片手持ち体の転換四方投げ」としました。
大人の門下生の皆さんの技が子供たちにかかりません。
様子をじっくり見ていると、子供たちは技が痛い為に持ち手に力を入れて身体ごと逃げるような動作を行っています。いずれの子達も握り手に力みが入って技が掛けられません。
私も最初の一巡目は苦労しましたが、じっくりと他の門下生の様子を見ていて気付きました。
眞武館の最近の道場稽古で中心にとらえて稽古いただいている「脱力と労りの心」が肝要なのです。
試しに脱力してやさしく技を掛けてみましたら子供たちは力まず、また、逃げもせず技にかかってくれます。
門下生の皆さんは手を固めて逃げられるので手が離れないように強くつかんで力んで引っ張るような形で無理強いの技に知らず知らずの内になっておられたのです。子供たちが力んで「実」になるので取りも力み、取りが力むから受けも力むと言う悪循環です。
子供たちに「力むな」と言う前に自らの力みをなくす事が大切で、技を無理強いしてかけようとするのではなく、子供たちと和合する心が大切なのです。
これはビギナーの方と稽古するときも同じで、一番弟子のK藤君が良く驚いてくれる私の技が今日入門仕立てのビギナーの方にもかかるのはビギナーの方の動きを見切って労りを持って技をかけるからです。
ここで先に書きました「見て取り稽古」の大切さも再認識いたしました。
道場でよく稽古の順番待ちをしながら待っている者同士で勝手稽古をする方がおられますが、私はその様な方には「受け待ちをしている他の方の迷惑になるし、上手も下手も我が師なのですから、どなたの稽古も見て取り稽古としてじっくり見る事も大切です。」と注意させて頂いております。
これは私の師の門川師範から何度も見て取り稽古の大切さをお教え頂いているからですが、今回のように子供に技が決まらない弟子たちの稽古であっても学ぶところは多いものです。「上手も下手も我が師」とはそういうものだと思います。
上手い方の技を見取って参考にするのは当然ですが、出来ない方の技もしっかりと何故出来ないのかどこが悪いのかと反面教師とすることも大事な見て取り稽古のひとつです。
稽古順を待つ間のたこ踊りのような勝手稽古は行わない戒めをもって見て取り稽古に集中すべきです。何より取りと受けの両者に対して失礼ですし、同じように順番待ちをしながら必死に見て取り稽古をしている方の邪魔になります。
また、思わぬ方向から受身を取りながら飛んでくる方とぶつかったりと思わぬ事故の元にもなります、これは武器技の稽古中はより気をつけなくてはならない点です。この様な事でけが人が出ては取り返しがつきません。
ビギナーの方は当然ですが、有段者になってもこの様な道場でのエチケットをわきまえない方には大いに反省をして頂きたいと思います。自らの稽古を優先するあまり周りが見えないようでは武道家としてはしたなく下品だと思います。眞武館ではこの様な行為は決して許しませんので門下生の皆さんは注意されるまでも無く宜しくお願い致します。
技の稽古の前に回りの皆さんへの気遣いを身につけたいものです。
受けの順番を待つ時は真剣に見て取り稽古を致しましょう。
稽古の最後に四番弟子H本君への一級印可状の授与を行って昨日の稽古を終えました。
2013年の本日までの稽古時間/稽古日数=359時間/125日)
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