合気の動作

「挙動一致の合気の動作」とは、「足、腰、腹、肩、徒手」の全身の一致した動きであり、全ての力の源である「地」を駆る「足」が発する「力」を効率良く「腰=>腹=>胸=>肩=>徒手=>指先」へと伝達する動きであると私の眞武館では定義している。

一致した動作とは、単にタイミングが同時と言うのではなく、効率よく気や力をその先々に伝える為の「溜め」や「増幅」を絶妙に行うタイミングのズレを伴う動作である。あるときはこれらの動きの一部を「煽りの動き」とか「波状の動き」等の言葉で表現される場合もある。

言葉で表現するのは非常に難しいが、体現するのも非常に難しい。ある意味、眞武館での稽古の大半は、この動作の追及に始終する。高槻市合気道連盟での杖の指導も、杖自体の理合いや術理についてだけではなく、この「挙動一致の合気の動作」を教室生と一緒に探求する場でもある。合気杖をつかった稽古では、長い杖により手・腰・足の動作が一致していない場合、それが強調されて非常にぎこちなく、手先だけの動作となっていることがわかりやすい。それだけに杖の稽古は「挙動一致の合気の動作」の稽古にはうってつけなのである。単なる正面打ちの素振りであっても稽古を積んだものとそうでない者の技量が明確になるのはそのためである。

「挙動一致の合気の動作」が上手く体現出来た時、その技は、力技を離れ、気の妙法で軽い動きから絶大な力を産み出すことが出来る。私にとっては「結び(産巣日)」や「中心線を守る」と同じく大切にしたい合気道の理合いの中心を占めるものであり、日々研鑚に努めたい目標でもある。